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日々の実践と学びの備忘録

『優れたリーダーはみな小心者である。』

 「小心者」というと、組織のリーダーにとってネガティブな印象に感じますが、著者のブリジストン元CEOの荒川詔四さんは、自身の経験を元に「小心者」であることの大切さを説明しています。

 

もちろん、「小心者」であるだけでは、リーダーとして成り立ちません。大事なのは、「小心者」あるいは「心配性」「臆病者」であるからこそ、周囲の人たちに細やかに気を配り、常にリスペクトの気持ちを忘れず、細部まで徹底的に自分で考え、あらゆるリスクに備えて万全の準備を怠らない、という「繊細さ」を持つことだといいます。そして、いざというときに決然とした意思決定を下し、その決断を支持する人たちの力を借りながら難局を乗り越えていけるのが、「優れたリーダー」です。

 

著者の経験はCEOやそれに至るまでの内容なので私にはスケールの大きい事象が多いのですが、考え方としては日々の業務にも当てはまりますし、立場がCEOだけではなく、部長や課長などのミドルマネージャにとっても参考になります。特に、高圧的な上司に読んでもらいたいですし、その部下にとっても反面教師とする理由が理解できると思います。

 

●「優れたリーダー」か否か、会議室に入った瞬間にわかる

ビジネスは、学校のテストと違い「答え」が用意されているわけではないため、「自分が答えを知らない」という「謙虚さ」を持ち、相手の話を「傾聴」する。そして、それを邪魔するものは排除しなければならない。

 

●「現場」を知らないものは決断できない

職位が上がるにつれ現場と離れるため、何かの決断には自分で3現(現物・現場・現実)を体感しないと不安。権限譲渡は大切だが、それを責任逃れの言い訳にはできない。

 

●「地位は人をつくる」のではなく「ダメな人」をつくる

地位には権力があり、部下から忖度され、それに心地よさを覚えると自分は優秀と勘違いし、「裸の王様」になってしまう。「臆病さ」を持ち、心地よさを覚えたときはリーダーとして劣化していると自覚する。

優れたリーダーはみな小心者である。

優れたリーダーはみな小心者である。