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日々の実践と学びの備忘録

集団の中に敵をつくって排斥しようとしてしまう「黒い羊」効果とは?

社会心理学では、集団を一体化させるための一つの方法として、「外に敵をつくる」ことだということが分かっています。

外部の敵の存在が意識されると、「内集団」と「外集団」の区別が明確になり、内集団に対してはより好意的な態度や行動が、外集団に対してはよりネガティブな態度や行動が生じます。

ある国が自国内に問題を抱えているとき、敵国に対する脅威を叫ぶことで自国を団結させるようにし、自国内の問題を沈静化させようとすることがまさにそうです。

 

 

内に敵をつくってしまう「黒い羊」効果とは?

「外に敵をつくる」という心理を上手く使えている状態のときはいいのでしょうが、「外に敵をつくる」ことをしないと団結できないチームは、外の敵がいなくなると内に敵を見つけようとしてしまいます。

そのように内集団に敵を作り、排斥するような行動をすることを「黒い羊」効果といいます。

内集団における「黒い羊」、つまり排斥される対象になってしまう人は、外集団の敵よりも低い評価になることが分かっています。

「他社の嫌いな人よりも、自社の嫌いな人のほうが、より嫌い」という現象になります。

これには心当たりがある人も多いのではないかと思います。

常に外に敵をつくることで「黒い羊」効果は防げる?

外集団が存在している場合でも、内集団に対して誇りに思っていたり強いアイデンティティを感じている場合、「黒い羊」が生み出されやすいことが分かっています。

いじめもこの効果が関係している現象です。

また、この現象で排斥されたメンバーは、その集団の活動に対して自発的に攻撃行動を仕掛ける場合があるといいます。

アメリカなどで頻発している学校や職場での銃乱射事件は、集団から排斥されたメンバーが犯人であることが普通だそうです。