有能な従業員ほど会社を辞めてしまう理由
一番有能な部下が辞めてしまった、という管理職の悩みは多くあるようです。
離職の問題について、その部下に原因を見出して済ませがちです。
そのような管理職から出る言葉は、
- あいつはおかしい、非常識な奴だ
- あいつは裏切り者だ
といった、人格を問題視する言葉です。
しかし、そうではありません。
その有能な部下は、仕事から離れるのではなく、会社から離れるのです。
その理由とは?
1 仕事量の負荷が高過ぎる
管理職が有能な従業員の仕事内容や量を理解できているか、ということです。
有能な従業員は仕事ができるため、次々と仕事を任せたくなってしまいます。仕事ができない他の従業員の仕事が回ってきたり、行動を躊躇している従業員の仕事をフォローするなどもあります。このように、頼りになるからと周りから仕事を依頼され、応えていくとそれが更に加速します。一人で会社のことを何もかもやってあげなくてはいけない状況になります。
有能の条件の一つは、仕事を割り振れることができることです。それが分かっている部下は管理職に相談しますが、無能な管理職は相談されても対応することはありません。上手くいっているように見えるからです。
すると、有能な従業員自身の仕事に余裕が無くなっていき、疲弊していきます。そして、成果を上げることで罰を与えられているように感じ、混乱してしまいます。
2 周りの無能な従業員に潰される
上述のように、従業員同士で協力することは大事ですし、そのための組織です。
しかし、本来は個々で役割があるはずで、それを著しく超えて有能な従業員に仕事が偏るのは管理職のマネジメント不足です。
そこで有能な従業員は、無能な従業員から仕事を振られたとき、断るような話をすると、「冷たい」「非協力的な奴だ」と言われるようになります。
そして悟る・・・
仕事をしていく上でコミュニケーションは大事です。
しかし、有能な従業員が抱える問題は、もはやコミュニケーションでは解決しません。むしろ、更に立場を悪くします。
会社とは営利団体のことで、利益を上げることを追求しなければならないはずなのに、上も含む周りが自分自身の居心地の良さを追求している会社は、会社として成長していきません。
そして自分だけが頑張っても良い方向に行かないことを悟り(=学習的無力感)、残る手段が離職なのです。