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日々の実践と学びの備忘録

2018/12/16 スプレー缶による爆発事故について

12/16に札幌市で爆発が起き、不動産会社の店舗が全損しました。死者が出なかったことが不幸中の幸いです。

原因は、室内で120本ものスプレー缶のガス抜きを行い、室内に充満した可燃性ガスに引火、爆発したとのことです。 

なぜ爆発するのか?

国民生活センターが行った実験映像を見ると、1本のスプレー缶でも爆発炎上する威力があります。

スプレーの成分は、従来は不燃性ガスであるフロンガスが使われていましたが、フロン排出抑制のため、可燃性ガスであるLPG(液化石油ガス)、DME(ジメチルエーテル)が使われています。これは、カセットガスボンベなどに使われている成分と同じなのです。

不動産会社への追求について

謝罪会見の際、レポーターが不動産会社社長に、スプレー缶に何が書いてあるか読ませる場面がありました。

屋内で120本ものスプレー缶のガス抜きを行う時点で、作業者が危険性について認識していなかったことは明白なのですが、わざわざ社長にそれを言わせるのは、どうなのかな、と。

また、除菌消臭サービスの価格とスプレー缶の原価の乖離や、未施工があったためスプレー缶が大量に余っていたという報道があり、詐欺みたいなどという意見もあります。

不動産会社の中の実態はともかく、不動産会社やその作業者を悪に仕立て上げて謝罪させて一件落着という雰囲気は好きではないです。

処分時の注意点は?

環境省は、2009年以降全国の市町村に「廃棄する際、穴開けをしない方が望ましい」と通知しています。

しかし、廃棄方法は全国で統一されておらず、自治体によって異なっています。

今回の件の札幌市のホームページによると、2017/7/1から「中身を使い切って」「穴を開けずに」「透明または不透明の袋に入れ」ごみステーションに出すこととなっています。

中身を使い切るときは、「必ず火気のない風通しの良い屋外で行うこと」です。

 

このようなスプレー缶が原因で火災が発生したことは年に数十件あるといいます。

武田邦彦さんが言うように、この問題の本質は、「可燃性ガスのガス抜きを消費者にさせている」ことです。ちゃんとガス抜きをしなかった一般消費者が悪い、では済まない問題です。

スプレー缶のガス抜きをするということは、ガスボンベのような可燃性ガスを垂れ流していることと同じことで、その責任を消費者に負わせる今の状況を、メーカが回収するなど変える必要があるように思います。